南富山駅周辺エリアは、富山市中心部の南部に位置し地鉄不二越・上滝線と市内電車が交わる交通の結節点であり、且つ多くの学校が集積する文教地区でもある。
南富山まちづくりを考える会は、2010 年にこの南富山駅周辺の住民有志により結成されたまちづくり団体で、急激な人口減少により露見してきた地域課題を解決し、住み続けられる“まち” を目指して活動している。
『南富山駅周辺エリア まちづくりビジョン 2033』は、これまでの活動を踏まえ、南富山駅周辺エリアにおけるまちづくりの理念・目標やこれらを実現するための方法を共有し、基本構想として取りまとめた当会独自のビジョンである。
地鉄不二越・上滝線と市内電車が接続するハブ機能
富山市の都市マスタープランにおいて、お団子と串の都市構造における「お団子」に位置づけ(居住・商業・行政・文化等の都市機能の集積)
富山高校・富山いずみ高校・堀川中学校・堀川小学校が隣接(生徒数約3,000 人)
学習塾も多く点在(富山育英センター、東進衛生予備校、など)
南富山駅周辺は、公共交通のハブ機能を持ち、文京施設も多く、他には無い特徴を持つエリアである。しかしながら、通過交通量をはじめ多くの地域課題を抱えていることから、特徴を最大限に活かしきれていない。南富山駅周辺のまちづくりは、この地域課題の解決が必須である。
① 駅前の通過交通過多(朝夕の混雑・無法地帯)
② 地鉄私有地への駐車
③ 狭い対面通行道路
④ 駅そばの遊休地
⑤ あまり利用されない公園
⑥ 接道条件を満たさない住宅
⑦ 道に溢れる駐輪場
⑧ 衰退するアーケード商店街
南富山駅前の空間は、5,700 台の車両が往来しており、その93% が駅や商店街に用事のない車両、つまり通過車両である。(2019.6 当会調査)
また駅前の混雑は、最近顕著になっており、特に学校のある朝の時間帯は、送迎車両も多く、市電を待つ列のそばを多くの車両が通過しており、危険な状態である。
送迎車両は、南西方向から一方通行を無視し、アーケード前の駐車スペースや地鉄私有地などを利用しており、北東方向からの車両とが交錯し非常に危険である。
また市電を待つ列も道路に溢れることがあり対策が必要である。
駐車場は、アーケード向かいの南富山商盛会駐車場(地鉄より借受)とアーケード前の市道駐車スペースがあるにも拘らず、地鉄タクシーが待機していた場所(地鉄私有地)への駐車が目立つ。
駅と北陸アート院の間の市道は、駅前の一方通行道路と違って、狭い上に対面通行となっており、平日の朝は自転車や歩行者の往来も多く危険である。
また横断歩道での一時停止や、左折せずに直進し一方通行を逆走する車両も多い。
南富山駅の近くには富山製袋株式会社(現 TSK 株式会社)の工場跡地(約5,500 ㎡)や品川グループの車両置場(約6,700 ㎡)の私有地が駐車場として利用されている。
南富山駅の近くには大町公園(富山市都市公園)があるが、あまり利用されていない。
管理は富山市より大町2区町内会に委託されているが、除草などを担う会員が少なく、外部業者に依頼している状況であり、町内会費での負担が発生している。
また大町公園は人通りも少なく、子どもが遊ぶには防犯上の懸念もあり、利用されないのではなかと思われる。
南富山駅に隣接する大町2区町内は、富山大空襲の被害を受けなかった事もあり、細い路地が多く残っている。従って、接道条件を満たさない住宅も見受けられ、今後急速に進む少子高齢化により、空き家・空き地の増加が懸念される。
南富山駅南西側には地鉄が整備する駐輪場がある。自転車は溢れ、道路にはみ出しており、歩行者と車両との事故の危険性が危惧される。
また南富山駅北西側に駐輪場が無く、北西側からの利用者もこの駐輪場を利用する事になり、南富山駅と北陸アート院の間の狭い道路での自転車と車両の接触事故が懸念される。
大正時代に開催された2回の共進会を契機に、飛騨街道沿いの堀川小泉周辺に多くの店舗が並んでいたが、交通の結節点となった南富山駅前にアーケードが建設されたことで、駅前は多くの買い物客で賑わった。店舗は、鉄道を利用した周辺町村や南側地域の人口急増に伴う近隣住民が多く利用し、最寄品(日用品・食料品)を扱う店舗が多かった。
昭和55 年頃になると、北陸アート院横の遊休地(富山製袋株式会社工場跡地)で、スーパーマーケットがオープンしたことで、駅前アーケードの最寄品を中心とした店舗は姿を消していった。
さらに昭和63 年、堀川町(日本繊維株式会社富山工場 跡地)にダイエーを主体としたマイプラザが営業を開始したことで、北陸アート院横のスーパーマーケットが撤退し、南富山駅周辺の店舗はさらに衰退していくことになる。
なお南富山商盛会は現在、組織として残っているものの、組織的な活動は行われていない。